・候補をみつけたら相見積とサンプル集め
周年事業にはやらなければならないことがたくさんあります。効率よく進めていくためには、進め方を具体的に把握しておくことが大切です。
式典会場や記念品は、いくつかの候補を探すことから始まります。上司やチームで話し合いをするときには、ゼロから話し合うのではなく、いくつかの候補を挙げてから話し合いを始めると進めやすくなるでしょう。
式典会場の候補をみつけたら相見積と当日の予約状況を確認します。
式典会場は、速やかに予約を確保する必要があるため、稟議を通して予約完了までスピードが求められます。
相見積は3会場程度に絞り、同じ条件で見積書の作成を依頼しましょう。
記念品の候補をみつけたら業者にパンフレットやサンプルと見積書の依頼をします。
・上司に相談して候補をひとつに絞る
サンプルや見積書が揃ったら、上司に相談をします。
相談する前に「自分ではどれが一番いいと思っているのか」を考えておくことが大切です。
そして、検討資料の準備もしておきましょう。とくに式典会場は画像で検討することになります。
会場内部の画像だけではなく、周囲の環境や交通の便の情報も資料にまとめます。
上司に相談するときには3つのポイントがあります。
1つ目は「選んだ理由」を明確にしておくことです。
必ず上司は「なぜ」と聞きます。そのときに口籠ってしまえば、それだけで説得力はなくなってしまいます。
2つ目は「予算」です。費用対効果は判断の大きな材料です。見積書は必ず添付するようにします。
3つめは「メリットとリスク」です。この会場や記念品を選ぶメリットとリスクをセットにして伝えます。さらにリスクについては、対処方法を考えておきましょう。
・説得力のある稟議書を作成する
上司と相談し、候補をひとつに絞ったら稟議書を作成します。会社や組織では金銭が動くときには稟議を通して決裁してもらわなければなりません。稟議書は計画を実行に移すための登竜門です。
稟議書は金額や内容によって最終決裁者が変わります。周年事業は会社や組織にとって大きなことであり、予算も大きい傾向があります。最終決裁者は担当役員や場合によっては社長まで及ぶこともあります。稟議書を作成するときには最終決裁者がだれなのかを確認し、期日に間に合うように作成します。
・説得力のある稟議書の作り方
通る稟議書は説得力があります。
同じ企画でも稟議書の書き方によっては結果が変わります。
説得力ある稟議書は一言でいうと「無駄と落ち度がなく熱い稟議書」です。
しばしばA4用紙に字が埋めつくされた稟議書をみますが「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」です。
経営陣は、毎日山のような資料に目を通さなければなりません。
字が詰まった稟議書は、熱意は感じますが、要点がわかりにくく説得力に欠けます。
また、一つの文章が長いと主語と述語の関係が曖昧になります。
例えば「この記念品は多くの人に喜ばれますが、単価が高いところがデメリットとも考えられますが、魅力はあります。」というよりも「この記念品は老若男女に対応します。デメリットは、単価が高いことです。しかしデメリットを補う魅力があります」と言った方が伝わりやすいでしょう。
稟議書は「これ以上削れるものはない」というところまで削ることがポイントです。
ただ、情報不足もいけません。数字で説明できる項目は数字を使うこともうまく伝えるコツです。
相見積の結果は、一枚の資料で比較できるようにまとめます。
そして、稟議を通す裏ワザは決裁者に伏線を張っておくことです。具体的には相談をしておきます。相談は内容を説明する目的だけではなく、決裁者の意向や性格を知ることも目的です。「この人ならこの言葉が響く」「この人ならこれが好きだろう」と考えながら作られた稟議書は説得力が増します。
・最大のポイントは「パートナーになってくれる業者探し」
稟議書が通ったら次は実行です。
式典会場が決定したら予約確定をします。仮予約してある会場にはキャンセルの連絡をしましょう。
記念品は業者に連絡をして打ち合わせを始めます。記念品は、納品までたびたび打ち合わせが必要になります。業者選びをするときには、面とあわなくてもすき間時間で打ち合わせができるWeb会議を活用する業者を選ぶといいでしょう。
稟議書が通ってからは業者と担当者の二人三脚で進めていきます。
担当者が周年事業未経験者であっても、業者はプロです。心強い味方になるでしょう。
候補選びのときには、つい見積の金額や納期に目が向きます。しかし、実は担当者との「相性」が最大のポイントかもしれません。サンプル依頼や相見積を依頼するとき「この業者ならパートナーになってくれるかな」と考えながら選んでみるといいのではないでしょうか。
