石本酒造株式会社は2017年、創業110周年を迎えました。
その様子がなんとも、多くの人たちに愛されているからこその取り組みであることがうかがえます。
当サイトのコラムでは多くの場合、最新情報をお伝えしています。
しかし今回は少々年代をさかのぼり、2017年の催しをお伝えしていこうと思います。
▼思い出して!周年記念とは?
・創業記念を従業員が祝う機会
・利用者であるお客様と一緒に喜ぶ機会
・今まで関わってきた人たちと共に笑顔になる機会
コロナ禍となり、周年記念の祝い事ですら人が集まりにくくなった現代。
自由に大勢が集まれた時代が、すでに懐かしくもあります。
今回は、アフターコロナを待ち侘びる私たちの希望をこめて、少々箸休めの記事として読んでいただけると幸いです。
もともと周年記念と言えば、多くの人たちが一緒になって祝福する場であったことは、忘れてはいけません。
直接人と会えなくなった今、周年記念をネット上で済ませる企業がほとんどです。
しかし画面の向こうには、周年記念を一緒に祝おうとしている「人」がいることを念頭において、一緒に盛り上げていく姿勢でいられると良いと思います。
そんな、周年記念の根底を思い出してもらえるような記事になっていたら嬉しいです。
石本酒造株式会社とは?
地酒好きなら1度は飲んだことがあるでしょう、新潟「亀田郷」の地酒「越乃寒梅」の醸造元である「石本酒造株式会社」。
1907年(明治40年)に創業して以来、新潟の豊富な良水をふんだんに使い、酒造りを続けてきた企業です。
新潟の冬の雪に恵まれた環境下、まさに美味しい日本酒を作るのに適した場所と言えるでしょう。
「越乃寒梅」の名の由来はもともと、江戸時代から亀田郷の初夏に実をつける「藤五郎梅」からきています。
冬の厳しい寒さにたえ、初春の残雪の中綺麗に咲き誇る梅の花は、長きにわたり愛される日本酒の由来として相応しいと言えるでしょう。
明治時代から続く、石本酒造株式会社が酒にこめる思い
明治時代に創業して以来、楽なものではありませんでした。
昭和時代、没発した戦争により、石本酒造も酒造りを続けることが難しくなった時期があったと言います。
終戦となったものの満足に米が手に入らない状況で、石本酒造株式会社は美味しい酒造りを諦めませんでした。
「どうせ少量しか造れないなら、喜ばれる酒を造りたい。」
引用:https://koshinokanbai.co.jp/koshinokanbai.html
白く米をとぎ、日本酒を最上級に楽しんでもらえる状態を確保し続けました。
ここまで酒造りにこだわれたのは、石本酒造が常に抱えている信念が貫き通されている証拠だと言えるはずです。
「農作業に励む亀田の人々に喜んでもらえる酒を造る。」
引用:https://koshinokanbai.co.jp/koshinokanbai.html
農作業に励む亀田の人たちを思っての、酒造り。
亀田郷では今日も、「越乃寒梅」を作り続けています。
石本酒造株式会社110周年記念の取り組みとは?
石本酒造株式会社は創業110周年で、記念懇親会を開きました。
県内をはじめ海外からも特約店を招き、合計で257店を招いての大規模な懇親会。
2021年現在では考えられない人数が集まり、一丸となって石本酒造株式会社の110周年を祝いました。
昨年には、45年ぶりの新商品、越乃寒梅純米吟醸「灑」を販売。
しかし、別商品とのラベルの違いが見分けにくい、と意見があったこを反省し、改善に試みたことを高評価している参加企業の意見が見られました。
創業記念品として特別に自社商品の酒を出す企業は、少なくありません。
しかし、参加企業が正直に感想をのべ、その成長を見守る意見が公開されていることは、当然のことではありません。
「問わず語らず」頑なに酒質のみを追求し、多くを語らなかった蔵元がいい意味で少しずつ進化していきます。
引用:https://www.sake-ikenori.com/blog/2017/09/kosinokannbai-1.php
参加した特約店の1つである「いけのり酒店」は、上記のように石本酒造を暖かく見守っています。
そして、この懇親会で石本酒造の社長の言葉を受け、改めて、特約店として石本酒造株式会社の酒の価値を伝えていくことに、使命感を感じていると言います。
石本酒造が愛される理由
石本酒造が招待し、257店もの特約店が集まった理由はなんでしょうか。
それは、石本酒造が愛されているからであることに、間違いありません。
良い酒を造ることにこだわり抜き、特約店を大切にしてきた石本酒造だからこそ、ここまで大規模な創業記念懇親会が行えたのは言うまでもありません。
創業110年周年を迎えた石本酒造から学ぶこと
創業110周年を迎えた石本酒造株式会社。
その酒造りの先には常に、喜ぶ人がいます。
それを忘れずに酒造りを続けてきたからこそ、110年たった今も、多くの人に愛され続けているのでしょう。