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周年記念のお祝いでは、周年記念を迎える側も、周年記念を祝う側も、のしを付けて品物を贈る機会があるでしょう。
日頃の生活では使うことがほとんどない「のし(熨斗)」ですが、取り扱い方にはマナー・しきたりがあります。
この記事では、のしって何?のしの書き方や選び方、お返しのしかたなどをご紹介します。
企業は継続すれば必ず周年記念を迎えます。のしを贈る側も贈られる側も、最低限のマナーを覚えておきましょう。
のしとは?使い分け方を解説
のし(熨斗)とは、日本の伝統的な飾りのことです。現在のような紙での熨斗は、鎌倉時代以降に普及し始めました。
最初は高級な贈り物のみに用いられていましたが、次第に一般の人々の間でも使われるようになりました。
現在では公式の贈り物をするときに使われ、赤と白の水引とあわせて贈られるのが一般的です。
最近ではのしと水引が印刷されている「のし紙」が簡単に購入できます。
のしに使う水引とは?場面別に解説
のし紙を結ぶように使う帯のことを、水引と呼びます。この水引は、のし紙を渡す目的ごとに使い分ける必要があります。
1つは「ちょう結び」になっているもの、もう1つは「結び切り」になっているものです。
結び切りとはその名の通り、結ばれた先が切られており、ちょう結びにできる輪っかがない状態の結び方です。
✔️ちょう結びがされている水引
水引がちょう結びになっているものは、「何度迎えても良いお祝い事」のときに使います。
周年記念はまさに、何度あっても嬉しいお祝い事なので、ちょう結びを使います。
他にも、開店祝いや入学・卒業祝い、出産祝い、中元、年賀などで使われます。
✔️結び切りがされている水引
ちょう結びが「何度あっても良い」ものなのに対し、結び切りは「一度きりでいてほしい」という場合に使われます。
例えば、結婚祝い、怪我や病気のお見舞いなどが該当します。
のし紙の書き方と注意点
のし紙の書き方にも決まりがあります。
基本的にのし紙には、水引の上部分と下部分に文字を書きます。
水引の上部分の文字は「表書き」と呼ばれます。
のし紙の書き方!「表書き」はお祝いの目的
水引の上部分に書く「表書き」には、中央部分にお祝いの目的を記します。
<例>
・〇周年記念
・祝 創立記念
・開店祝い
・祝 御卒業
・御結婚御祝
周年記念の式典へ来たくれた人へのお返しの場合には、
・粗品
・記念品
・創立◯周年記念
などと記載すると良いです。
式典などを行わない場合にいただいた御祝の場合には、
・御礼
・開業の内祝
などと記載するのが良いです。
✔️注意!水引と文字はかぶらせないこと!
文字の上に水引がかぶってしまうのはマナー違反です。
必ず水引が文字の上にこないよう調整しましょう。
のし紙の書き方!水引の下には相手の名前や企業名を「名入れ」
のし紙の下部分には、中央部分に相手の名前や企業名、あるいはその両方を記載します。
書き方には少々ルールがあるため、ケース別にご紹介します。
✔️名前+企業名を記載したいとき
名前と企業名を記載したい場合には、名前の右上部分に名前よりも小さな文字で、企業名を書きます。
✔️企業の名前にローマ字が入っているとき
企業の名前にローマ字が入っている場合は、多くの場合にカタカナ表記にします。
決まりというわけではありませんが、一般的な書き方です。
✔️複数名の名前を入れたいとき
例えば職場の人が相手の場合は、地位や年齢が上な人から順番に右から名前を書きます。
地位や年齢が関係ない場合には、右から五十音順で大丈夫です。
相手の人数が多い団体の場合は全員の名前を連ねるのではなく、名称の後に「一同」とするのが一般的です。
✔️夫婦の名前を入れたいとき
相手が夫婦などの男女の場合は、右側に男性、左側に女性の名前を書きます。
✔️お返しの場合
周年記念を祝ってくれた相手に対するお礼としての品の場合には、周年記念を迎えるこちら側の社名や店名を入れます。
のし紙の巻き方とは?ルールはない
次に、のし紙の巻き方をお伝えします。
商品の箱を包装紙で包装した後にのし紙を巻くべきなのか、のし紙を巻いてから包装紙を巻くべきなのかで悩む人がいると思います。
答えは、どちらも正解です。
特にルールがあるわけではないので、お渡しする状況によって、どちらにしたいかを判断すれば良いです。
✔️「内のし」とは
「内のし」とは、商品にのし紙を巻き、その上から包装紙で包む巻き方です。
内側にのしがくるため、外からは贈る目的が見えません。
・控えめにお祝いの気持ちを伝えたいとき
・お祝いの品があることを主張したくないとき
・宅配便などで大量の品を運びたいとき
・のしが傷つきそうなとき
内のしはこのようなときに便利です。
荷物が多く運ぶ間にのしを傷つけてしまいそうなときや、多くの商品を一気に運搬したいときなどにも、内のしはおすすめです。
✔️「外のし」とは
「外のし」とは、商品の外側にのしを巻くため、一目でお祝いの品であることがわかるのが特徴です。
贈り物であることをはっきりと伝えたいときなどにおすすめの包み方です。
周年記念のお祝い!のしの使い方をおさえて渡そう
周年記念のお祝いとして、必ずと言って良いほど使う「のし」。
祝う側も、祝われる側も、のしを使うことになるでしょう。
記事でご紹介したマナーをおさえて、失礼のないのしを贈ってください。